ムジゲの便り |
DMZが今熱い視線を浴びています。(2月14日) |
クレト 中村 道生 神父 |
日本DMZ が今熱い視線を浴びています。 DMZ(Demilitarized Zone)は朝鮮半島を南北に二分した北緯38度線に沿って設けられた軍事境界線で、これをはさんで北と南にそれぞれ2qの幅で東西約300q及ぶ地域が非武装地帯として、朝鮮戦争以来50年間人の侵入を拒み、自然が手付かずで残されているところです。鶴などの渡り鳥の飛来地、あるいは日本への中継地となっています。さらにこの一帯で国際自然保護連盟絶滅危機種に指定されているま真鶴、ハイタカ、黄ツミ、などが観察されており、48種の貴重な水生・湿生植物も観察されているそうです。 金大統領は2月5日、「南北の非武装地帯(DMZ)をユネスコの『接境生物圏保全地域』に指定するなど、国際生態公園として造成する法案を作るように』と支持しました。 8日には、『DMZ内に埋設されている地雷の除去』が板門店で開かれた南北軍事実務会談で合意されたと報道されています。さらに、中央日報の9日付の解説によれば、韓国と北朝鮮の軍当局者は非武装地帯を世界的な生態系として保存しようと言う趣旨から、この地域内で『火攻作戦』を禁止することに同意しました。これはDMZ内の警戒を容易にするために毎年春に行われてきた草木を焼き尽くす作戦です。また、京義線が通過するDMZ南北共同管理区域(今、これと同名の題名で韓国映画が日本で上映されていると聞きましたが)に、生態移動通路(Eco-bridge)の建設も決められたそうです。 「韓国 DMZ 平和と生命の村」(1) さて、前の号で約束していました 「韓国 DMZ 平和と生命の村」は戦争で傷ついたこの地域に自然生態公園,生命の村、平和公園を造成しようという民間レベルの運動です。江原道(カンウォンドウ) のDMZと民統線(軍事目的で韓国側がDMZからさらに内側4qの幅で、民間人の出入り制限している部分)の間にある土地47万坪に上記の諸施設を造成し、人と人、人と自然の平和と共生を目指す空間を作ろうとする計画です。 この運動は丁度2年前1999年の2月から、南北江原道(江原道は38線で韓国と北朝鮮にまたがっています)交流協力企画グループの人たちがDMZと民統線の自然の事態調査をしたことから始まりました。自然の保護と人類の平和を目指した運動が次第に多くの人々の関心と共感を呼び、この年の11月に、10人の韓国内外の学者や文化人らの著名人が共同提案者となり具体的な運動を展開することとなりました。その中の一人金芝河という詩人は皆さんもご存知だと思います。 「韓国 DMZ 平和と生命の村」(2)は次回報告いたします。 |