長期宣教から短期宣教へ
-変化する宣教の意識―
10月にベトナムを訪れた海外宣教委員の兄弟元田勝哉は、ベトナムの兄弟たちに宣教についてインタヴューを行い、ベトナムの若い兄弟たちの宣教観の変化についてレポートしてくれました。
私は、この度 10月18日から およそ一週間ベトナムに滞在し、東アジア合同会議(EAC)に参加する恵みをいただきました。対象者は、アジア圏にいる荘厳誓願後10年以内の兄弟で、日本管区からは私と兄弟今井の二名で参加しました。この会議の目的の一つに、アジア圏にいるフランシスコ会の若い兄弟達が早い段階で触れ合い、相手のことを知った上で互いに協力し合える関係を築くことが挙げられます。
EAC会議の集合写真
実際に 今回の会議の参加国と参加者は、総勢で15か国46名というものでした。そのほかに、EACのスタッフなども入れると かなりの規模の会議となりました。他国の様々な状況下にいる兄弟たちに触れ、良い刺激を多く受けました。特に、今回はベトナム管区にお世話になりましたので、ベトナム管区の兄弟たちの「海外宣教」についての考え方や生き方の変化を紹介し、私たちの宣教観を広げる一助になればと思っています。
私は、6年前にも 同じくベトナムで行われた東アジア合同会議(EAC)に参加しています。その当時、ベトナムで聞いた海外宣教の理解は「一生、母国に戻れない覚悟を伴ったもの」で、事実 海外宣教に出たベトナムの兄弟たちは他国で一生を捧げていると伺っていました。しかし、今回 少し違う印象を受けました。それは、「数か月から数年間というスパンで赴く海外宣教ができるようになった」と言うのです。べトナムの兄弟たちの場合、国と政府の政策の変化によるところが大きいのですが、短い期間での海外宣教ができるようになったということは大きな変化でしょう。
今回、このベトナム管区の海外宣教の在り方の変化を聞いて、私たちの海外宣教への理解を広げる良い機会の得たように感じました。なぜなら、私を含め 多くの日本管区の兄弟たちは「海外宣教」と聞くと その兄弟の一生涯をかけたプロジェクトというイメージがあるように思うからです。それも一つの在り方ですが、海外の兄弟達、特にアジアの他管区では短いスパンでの海外宣教が主流となっているように感じましたし、滞在期間が短い海外宣教に積極的な印象を受けました。
これから先、日本であれ海外であれ、他国の兄弟たちと協力していく機会が増えていくことでしょう。フランシスコ会は、間違いなく全世界規模の修道会だからです。他国の兄弟たちとの協力し合える関係を築く機会として、短いスパンの海外宣教も その一助となり得ると知っていることは本当に大切なことだと思います。 トマス元田勝哉OFM